持病を発症して以来、美容室、高速道路、歯医者、電車諸々の場所が苦手になってしまい、行動範囲がどんどん狭まっていたのだけれど、7月上旬から奥歯が痛み出し、放っておいても治まるわけではなく、なぜか隔週ごとに痛み出すようになってしまったので(多分元々悪いところがストレスがかかると痛くなる)勇気を出して数年ぶりに歯医者に行ってきた。
歯医者、もともとそんなに得意じゃなくて、前回行った時もめちゃくちゃ勇気出して行った。小さい頃にちょっと話すだけだからと言われて行ったらいきなり治療をされたのがトラウマになっていて、行かなきゃなとは思っても行くまでに相当な覚悟が必要だったのだけれど、その時はコンプレックスの解消と、色々と就職に向けて動き出していた時期だったので弾みがついて行けた。怖がりなのでとにかく優しくしてほしいと言ったところ本当に優しくしてもらえて、おかげで治療を終えるまで通い続けることができた。あれから数年。その時の努力の成果は持病による恐怖によって失われてしまった。
周到なリサーチを経た結果、ここならおそらく安心して行けるであろうという歯医者を見つけることができ、そこに行くことにした。以前の歯医者さんでもいいのだけれど、新しく見つけた歯医者さんは個室で治療ができるとのことで、コロナの感染を避ける上ではこちらの方が良いのではないかと思った。ただ相当人気があるらしく、いつも予約待ちでいっぱいな感じで、急患の場合は予約優先なので1時間ほど待つことになると言われた。それでかなり迷って電話しては悩むというのを繰り返していたのだけれど、時々やってくる痛みの強さに根負けして、ついに今日行ってきた。
歯医者に入った瞬間は恐ろしいほど緊張したけど、最初に言われた通りかなり待たされて、その間にちょっと緊張が解けていった。あとどのくらいかかりますかと聞いてみたら親切に「今ルームを清掃しているので次になります」と教えていただけたのでそのまま待ち、1時間半ほど経ったところで診察の番が来た。
問診票をもとに丁寧なカウンセリングをしていただき、とにかくビビリなので「いきなり治療とかになるんですかね?」と聞いたところ、いきなり治療をすることはまずないです、治療をするにしろしないにしろお口の状態だけ一度見せてくださいねと言われたので安心することが出来た。他にも困ってることがあったら遠慮なく言ってくださいと言われたので遠慮なく言いまくった(気がする)。出来れば今回痛みのある歯の治療をしたかったのだけれど、体調が微妙に崩れてきて良くない気配を感じたので申し出たところ、歯科衛生士さんが素早い動きでその旨を院長先生に伝えてくれて院長先生が隣の部屋からすっ飛んできてくれて、治療は次回で痛み止めを出してもらえることになった。「大槻さん、こんな感じで困ったことはどんどん言ってくださいね!」と言われてめちゃくちゃ安心できた。
やっぱり治療台とか器具を見ると恐怖心があるのだけれど、ここなら少しずつ治療しても大丈夫なのかな、と思えて良かった。事前にメールで院長先生に不明な点を聞いていたのも良かったのかもしれない。院内も清潔であらゆるものが自動化されていて今時って感じで素晴らしかった。
この状態の自分でも一歩踏み出せたかな、と思えた一日だった。時間はかかるかもしれないけどちゃんと治療して、少しずつまた自分のフィールドを広げていきたい。