福井県と京都府の県境、老富町という集落にあるシャガの群生地を見に行ってきました。この場所は数年前にたまたま発見されてからここ4年くらいで有名になったみたいで、毎年春になると話題になるので一度は行きたいなと思っていたのですが、たまたま家族も行きたかったみたいで今年行くことができました。
まず老富町に着くまでがひたすら長い…。上林(かんばやし)という、綺麗な山と川が延々と広がる奥地を走ること40分。もっとあったかもしれない。上林には何回か来ているのですが、何度来てもその自然の豊かさにびっくりします。田舎に住んでいても自然が豊かだなぁと感じる風景。
シャガの群生地を探してひたすら山道を走り続け、あと一歩で福井県というところでようやく到着。行きすぎるとそのまま福井に突入します。ちなみに夏の朝に来ると涼しいを通り越して寒いくらいの気温です。
駐車場に車を駐めて、5分ほど歩くとシャガの群生地の入口がお目見え。「クマ出没注意」という少々おっかない看板が…。近くにはトイレもあるのですが、民家のトイレをお借りする形になっていてなかなか見かけない感じです。ちなみに今回はお休みだったのですが、トイレの横に飲食が可能な休憩所があって随時開設しているそうです。平日にも関わらず人は結構いて、改めて話題になっているのを感じました。
そのまま足を進めると一気に俗世離れした風景が広がります。
結構な人がいるにも関わらず、森の中はとても静かで不思議な雰囲気でした。歩いている人もただ静かに写真を撮っていて、和やかだけどピンとしているというか、あまり感じたことのない空気。シャガは本当に目で追いきれないくらい視界いっぱいに広がっていて、どこまでこの景色が続くんだろうという気持ちになりました。なんでも400万本も群生しているとか…。
一度足を踏み込んで奥に行ってしまったら帰れなくなってしまいそうな、綺麗すぎてちょっと怖いくらいの場所でした。ただ、森の中なのでヒンヤリとはしているのですが、気温が30度を超えていて暑くなってきたので熱中症になる前に早々においとましました。午後は日射しが入り込んで綺麗だけど、早朝に来たらもっと不思議な空気を味わえるんじゃないかなぁと。
「フェアリーテイルでも出てくるんじゃないかな?」なんてファンタジーなことを考えてしまう独特の空気感、これは写真では伝わらないと思うので是非実際に行ってみてほしいです…。地元の人が木を伐採したところ、日射しがよく入り込むようになってシャガが大増殖しているのが発見されたことで観光地化したそうですが、自然の凄まじさというかそういうものを感じる場所でした。歩道も綺麗に整備されていましたが、この風景は人の手では作れない神秘的なものだなぁと。観光客の方も多かったのですが、もっとこの綺麗な景色が知られてほしいと思いつつ、今のバランスを壊してほしくないなとも。大事に守られていってほしいです。
夜寝る前にこの風景の余韻を思い出して、興奮してなかなか寝つけませんでした…。本当に夢のような景色だった。ちなみに3月から4月まではミツマタが咲いているそうで、来年はその景色も見に行ってみたいですね。初夏のシャガの景色、見れて良かった。