今年の2月で解散した、古今の名曲をカバーするアイドルグループ、「アイドルネッサンス」の解散ライブのダイジェスト映像がYoutubeにアップロードされていた。
去年の2月にこのグループを好きになって、ほぼ毎日アイドルネッサンスがカヴァーした邦楽を聴き続けていた自分としては、今年の1月の解散の発表はまさに青天の霹靂のようなもので、せっかく見つけた存在が消えてしまうのが寂しかった。アイドルネッサンスの存在は独特で、「アイドルネッサンス」を経由して、自分の知らなかった曲に行き着く、経由駅のような存在だった。そのうち、アイドルネッサンスがカヴァーする曲は間違いがないという確信に変わって、どんどん色んな曲を聴くようになった。自分にとっては、アイドルネッサンスは自分の知らない曲を教えてくれるありがたい存在でありながら、一つの確立されたアイドルであった。
解散からだいぶ月日が経って、アイドルネッサンスの曲を聴くたびに「過去のもの」という認識が強くなって、今日も「夏の決心」を聴きながら「もうこのグループのなにか新しいものを見る事はないんだなぁ」と思って寂しくなっていた。そんな事を思いながら外出先から家に帰ったら、前述した動画がアップロードされていてびっくりした。
この映像を見た瞬間に、自分がスマホ越しに見ていた解散ライブの光景が蘇ってきて、「過去」がまた新しくなったような、そんな不思議な感覚がした。画質が良いからなのか、アングルが中継とは違うからなのか、あの日見たライブとはまた別物を見ているような感覚になった。また新しいアイドルネッサンスが自分の目の前に現れて、少し嬉しかった。
このダイジェスト映像で、初めて「若者のすべて」という曲を知り、またアイドルネッサンスを経由して、自分の知らなかった日本の名曲に行き着いた。解散しても、そうじゃなくても、一度身についた習慣は変わらない。これはアイドルネッサンスを知らなければ身につかなかった習慣だった。改めて、アイドルネッサンスにはお礼を言いたい。たくさんの素敵な曲を教えてくれてありがとう、と。
最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
ないかな ないよな きっとね いないよな
会ったら言えるかな まぶた閉じて浮かべているよ若者のすべて - フジファブリック
去年の夏は「前髪」だったけど、今年の夏はきっと「若者のすべて」を聴いて過ごします。