2年前から、身内の間で地域について語るポッドキャストをやっていたりする。ポッドキャストというのは、簡単に言うとインターネットラジオみたいなものだと思っていたんだけど、音声や動画などのデータをインターネットで公開する方法のことをそう呼ぶらしい。今、こうやってブログを書くまで、全くその事を知りませんでした。
そもそものきっかけは、近所で仲が良い3人(自分、姉、姉の友人)で、昔からあれこれやったりしていて、4コマ漫画の冊子を作ったり、全員オタクなのでオタク活動的な事をしていたり、地元の地域をアピールする活動みたいな事をやってみたいね、と話したりしていて、その流れで自分が「地域について語るポッドキャストをやろう」と言い出したからだったと思う。なんでポッドキャストという手段を選んだのかは覚えていない。ただなんとなく、喋ってる時の会話を録音してインターネットで流してみたいよね、という会話は前からしていて、ニコニコ生放送とかでやると、うっかり変な発言をしてコメントが来たら怖そうだし、ポッドキャストっていうのがあるみたいだからそれやったらいいんじゃない、みたいな流れだった気がする。その時はインターネットラジオ=ポッドキャスト、みたいな捉え方をしていて、ポッドキャストなら録音したデータで良いから、生放送のリスクもないし、やってみるか、という感じだったと思う。
それで、あれやこれやありつつ2年くらい続けているんだけど、これがなかなか大変で、まず録音する日程が合わない。次に、個々によってモチベーションの差があり、それをまとめるのが大変。会社経営みたいな話になるけど、それぞれポッドキャストに抱いている思いの差みたいなのがあって、どうしていきたいか、どうやっていくか、という思考にばらつきがある。アイデアを言うだけ言うのは主に自分で、それを具体的な行動に移していくのは姉の友人、という役割に自然となっていて、性格も三者三様で全く違うので、行動に性格が表れやすい。こういう活動をするにあたって、こうこう決めますよ、というようなガイドライン的なものも用意していないし、元々がプライベートな活動なので、そこまでやるのもね、と気後れする部分も個人的にはあったりする。話す内容についても、台本なんかは姉の友人がきっちりと内容を決めて用意してきてくれるのだけど、自分はそういうきっちりした作業が苦手で人任せにしてしまう部分があり、なかなかバランスを保つのが難しい。
そういう課題もありつつ、続けていくにつれて、声の持つ情報量について考えるようにもなった。個人的に、文章で伝えたい事を長々と書くよりも、実際に一言二言喋った方が圧倒的に伝わる部分もあるのではないか、と思っていて、それだけ声には多くの情報が含まれていると思う。声音や、完全には伝わってはこないけど、なんとなく何を思って話しているのか、というような表情が想像できたりする。その事に気づいてからは、自分が喋る時に、もっと他人に聞かれている事を意識しなくては、と思ったりもしたのだけど、3人で話していると、どうしても昔からの馴染みの関係なので、うっかり場の空気に流されてマイペースに喋りがちである。一人で話している時の方が緊張感があるな、と思った。
こういった、身内のポッドキャストの経験を活かして(?)、一度だけ、一人で「デザインポッドキャスト」という、デザインについて語るポッドキャストをやった事がある。これが結構難しくて、一つのテーマについて一人で語る、というのはなかなか場が持たない。しかも、話しているのが自分だけなので、後から聞き返すとかなり恥ずかしい。ただ、デザイナーの方々からは結構良い反応をいただいて、続ければ良かったのかも、と思ったりもした。個人的にも、その場で話題を捻り出したり、デザインについて、自分なりに考えている事を語る、という行為自体が勉強になるなあと思ったし、話し方についても、例えば続けていくとプレゼンなんかが上手になる効能があるかもしれない、と思った。
最近、よくデザイン系のポッドキャストが公開されていたりしていて、それはなかなか聴けていないのだけれど、声によるアウトプットも良いのではないか、と思ったりする。文章を公開するのも良いけれど、ポッドキャストも上手く活用すれば良いアウトプットの方法になると思っている。ただ、拡散しづらいのと、情報を受け取る側が「聴く」という行為にある程度集中する必要があるので、文章のように気軽に見れたりするわけではなく、その辺りはハードルが高いな、と思う。
小難しい感じのまとめ方になってしまったけれど、ポッドキャストは面白いし、一度やってみようかな、という方にはおすすめしていきたいな、と思う。
最後に、2年前の夏に一人で収録した「Design Podcast #0」を置いておきます。またやる機会があったらやってみてもいいかなあ、と思っていたりします。